2月18日に開催されました「命を守り、命をつなぐ市民大会」において南理事長が締めのお言葉を述べられました。重要な内容ですので全文掲載致します。
命を守り、命をつなぐ市民大会 ~新しい医療都市を目指して~
令和5年2月18日、久留米・シティプラザ
<締めの言葉>
本日、久留米シティプラザで開催の市民大会に藤堂省先生から出席のお誘いを受け、東京から喜んで駆けつけて参りました。「命を守り、命をつなぐ」というテーマで本日は盛り沢山の素晴らしいお話をお聞きでき、またスペシャルゲストの松山千春さんのトークと歌には大変に感銘を受けました。
肝臓・腎臓・心臓・肺といった内臓が重度の機能不全に陥ったときの最終手段として臓器移植という治療方法があるという事を初めてお聞きになった方がこの中にもおられると思います。日本には、移植が必要ならば募金を集めて海外に行けばよいという風潮がありましたし、今でも存在します。しかし、2010年に世界保健機関(WHO)が海外渡航移植は臓器売買に繋がる為に止めるように勧告を出しました。
心臓以外の臓器では親族間の生体移植という道が残されていますが、心臓移植は脳死者からの臓器提供が不可欠です。脳死という不測の事態が発生した場合に、何ができるかという事を日頃から家族内や学校などの現場で考えておく必要があると思います。
日本では脳死者からの臓器提供が欧米諸国はもとよりアジアの国々の中でも最も低く、日本臓器移植ネットワークの報告では2022年に16,000人の待機患者の内、移植にたどり着いたのは450件(2.8%)しかありません。実に、心臓移植の待機期間は7年を超えています。このような事態を重く見て、私たちは2006年にNPO法人ハートtoハート・ジャパンという組織を作り、全国で臓器移植の啓発活動を行っています。会場の入り口にこのNPO法人のパンフレット等を置かせていただいていますので、ご興味のある方は是非ともお立ち寄りいただければ幸いです。
移植医療推進のために、私たちは久留米・筑後地区の活動ともしっかり手を取り合い、日本で助かる命が助けられるようになることを切に期待したいと思います。これにて、私のまとめの言葉とさせていただきます。
南 和友
(NPO法人ハートtoハート・ジャパン 理事長)
写真は会場での南理事長と藤堂先生とのツーショット。藤堂先生は本市民大会を主催する一般財団法人久留米・筑後移植医療推進財団の理事を務められております。