南 和友 理事長
小野清子元参議院議員が2005年の創立から10年間務めていただいたNPO法人ハートtoハート・ジャパンの理事長という立場を南和友がバトンタッチさせていただきました。脳死者からの臓器提供は臓器移植法の改正された2010年10月以降は、それ以前の10人程度から40~50人に増加はしてきていますが、臓器移植の待機患者数が現在13,942人であることを直視しますとその数は圧倒的に不足しています(2015年1月5日現在、日本臓器移植ネットワーク発表)。
“脳死をもって人の死”とする世界の大半の国とは異なり、日本人は“心臓が停止するまで人は死んでいない”とする旧来からの死生観を持っています。そのことが日本で臓器提供数が増えない主原因であることに間違いはありません。前述の改正臓器移植法下に於いても、日本では脳死は臓器提供の可能性があるときに「人の死」とし、それ以外は心臓停止をもって「人の死」とする不明瞭な定義に留まっています。
世界保健機関(WHO)が2010年に海外渡航移植の自粛勧告を行ったにもかかわらず多額の金額を支払い移植を受けに渡航する例が報道されます。しかも東南アジアでは水面下での臓器移植が未だに後を絶ちません。
日本を一日も早く「助かる命を助けられる国」とすることをスローガンとして私たちは活動をしています。今後は医療従事者を含め少しでも多くの方に臓器移植の大切さを理解していただくため、若い世代の人達に「命の大切さ」や「人が死ぬ」といったテーマでお話をする機会を作っていきたいと思います。皆様の温かいご支援をよろしくお願いいたします。
2015年1月吉日
理事長 南 和友